バリ島と同じ?

コロナ危機の収束が見えず生活は少なからず変わりました。しかし、元々積極的にお酒を飲むわけでも、外食をするわけでも、頻繁に人に会うわけでもない身にとっては、むしろ東京を離れるきっかけができ、その変化は好ましいかもしれません。困るとすれば世界が当分の間鎖国状態となり海外旅行に行けないことぐらいです。この目で確認したいものがいくつかありますが、それこそが不要不急の最たる消費でしょう。海外旅行に熱中していた頃は、ライステラスを望むガムランの響くテラス席での食事といったステレオタイプの経験をするためにわざわざバリ島まで行きました。しかし、東京へのこだわりが消えれば、ひぐらしが鳴く夕暮れの森にテーブルを持ち出し、夕焼けの空を眺めながらろうそくの火を灯して食事をすることにお金はかからず、そこでの時間の豊かさはバリ島とおそらく同じ価値です。世界の経済は不要不急の幻想を作り出し、消費者もあえてそこに加担する共犯として経済をまわしてきました。これからもその基本構造は変わりませんが、幻想から覚める人が増えるなら、旅行が最も有望な世界の成長セクターだという主張は幻に終わるのかもしれません。

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