数十年ぶりにテントを買いました。最近の山行では妻のテントを借りていましたが昨今のテントは耐水圧と透湿性の性能が向上した高強度繊維を使い、軽量ながらキャンプに付き物の雨や結露時の快適さを改善しています。しかしそれ以上に自分のテントを持つメリットは自分の庵を持てることです。日本では古来より僧侶などが世俗を離れて用いる質素な佇まいの庵が庶民からも憧れの対象となってきました。人間の居住場所から遠く離れた森や山岳地帯などの隔絶された土地に作られるインドのアシュラムなど、このトレンドは世界共通だと思います。人工的な外部刺激を遮断して自分の内面と向き合うための静寂で神聖な寺院を個人的に持つ喜びは、人生で最上のものに見えます。山の早朝も素敵ですが、日没の山頂に佇むだけで何をするわけでもなく満たされた時間を持てそうです。今一番引きつけられるのはそんな場所に身を置くことで、大半の人にとっては極端過ぎるかもしれませんが、質素でスパルタンな暮らしがあらゆるレベルで健康を促し心身のバランスを調整してくれると思います。