昨日は久しぶりに独りで早朝の八ヶ岳に登りました。独りで登るメリットは自分の身体とじっくり対話する内省の時間を持てることです。古来より修養としての慎独の大切さが語られてきましたが、世間では人と時間を分かち合う楽しさばかりが誇張され、反面ひと目ばかりを気にして気を病む人も少なくありません。最初に入った会社の寮の名前が慎独寮で愛着のある響きですが、集まってバカ騒ぎをした印象しか残っていないのは無理もないことでしょう。しかし今は、独り慎み心身の内面に弾力を持たせることで人生をより深く味わうことができると思います。人生は肯定的な面ばかりでなく、否定したくなる局面も等しく尊い味わいがあるはずです。快楽偏重社会は人々の欲望と直結し、その弊害はマネーシステムばかりでなく、宗教や政治、経済といったあらゆるシステムを嘘で覆い、真実と安らぎを感じることができるのは虚無主義だけです。しかし、世界のなかに自分がいるのではなく、五感を通して電気信号を受けた脳が、自分の中に世界を作り出しているなら、全ては幻想であり錯覚だと悲観する必要もないのでしょう。