物があふれる時代のフロンティア

ピークに達する花粉症を避けて半袖が心地よい那覇に来ました。仕事で那覇に来ていた頃は大半が日帰りでしたが、今にして思えば当時から実用化していた動きの不自然なテレビ会議で十分だったのでしょう。この一年は疑うことのなかった移動の意味を考える年になりました。搭乗率3割程の機内を見ると不要不急の最たる移動が旅行であることが分かります。旅行に対して億劫なのは、お金もかからず爽快で気持ち良く運動できる山で過ごす時間に比べて割に合わないからだと思います。それでも霧消する贅沢な時間を消費する虚しさを人々が受け入れるのは、物があふれる時代の最後のフロンティアが空間と時間だからでしょう。その両者が刺激的にシンクロするのが旅の醍醐味であり、エキゾチックな場所性が身体感覚に結びつくなら旅行はレジャーの王様としてバーチャル化の動きに対抗できるはずです。視覚化された情緒やステレオタイプの豪華さを超えた旅の魅力の最後の薄皮一枚を解き明かした人が、再び国境が開かれインバウンドの熱狂が戻るときの勝者になるのでしょう。

Translate »