高級車、広い家、豪華な料理、海外旅行といった良い暮らしを以前は人間のごく自然な欲求だと思っていました。しかし、これらは巧妙に操作された大衆扇動の幻想であり、人を欠乏マインドで支配します。話題の書「FIRE 最強の早期リタイア術」は「金持ち父さん」シリーズと同様のエッセンスを持ちながら、生活のための支出額から人生を見直す点が新鮮で投資額の4%以内で生活することを奨励します。凡人は良い生活をするために稼ぐことに心を奪われますが、収入起点の発想は満たされることを知らず、支出も増加するのでいつまでも働き続ける必要があります。支出額から逆算して30年後も変わらぬ元本を維持する投資戦略は金融商品の増えた現在では容易になりました。年を重ねるほどお金より時間の重要さが増すはずですが、滅私奉公してきた日本のサラリーマンのリタイア後はとくにしたいこともありません。何不自由ない悠々自適な暮らしなのに、気持ちの満たされない退屈な日常は自律神経のバランスを崩し睡眠の質も低下させます。せっかく寿命が伸びてもその時間が充実しないのは、欠乏マインドの生き方を変えることができないからかもしれません。