昨日は上野原にある浜沢の大ケヤキを見ました。浜沢薬師堂の境内にある高さ19.5m、根回り9.5mのケヤキは樹齢300年とされます。谷に落ちる急傾斜地に立つケヤキは落雷などで主幹が途中で折れ、大きな亀裂が縦に走る幹は巨人が立ち上がったような異様な姿です。大きな空洞はかつては子どもたちの遊び場だったようですが、悪条件にもかかわらず樹勢は旺盛で、強い生命力を感じます。近所の茶店で薪がくべられるかまどで蒸した酒饅頭を買いました。饅頭の起源とされる酒饅頭は洗練とは程遠い食べ物ですが、火のある素朴な暮らしというコンテクストに置かれると魅力的です。質素な酒饅頭は洗練された美味しい食べ物のように、さらにおいしいものを求めて執着を増やし終わりのない双六を始めることもありません。欲望の増殖が止まらない構造は産業が成長するための条件です。都会的消費とは効用が長く続かず、たいした満足も与えない幸せに大金を払うことだと思います。お金と言う何でも図れる便利な尺度を手にしたために、われわれはお金と幸せを切り離すことができなくなったのでしょう。