秋がいつの間にか進み八ヶ岳の稜線では霜が降りるようになりました。収穫の秋、食欲の秋というのは自然の摂理で、北米大陸からアフリカ大陸までノンストップで飛ぶ渡り鳥は秋の1週間で脂肪を2倍にすると言われます。多くの動物も冬を越すために秋になると自然が用意した果実などで体に脂肪を蓄えて越冬を可能にしました。人類が糖新生によりブドウ糖を体内で作り出すのもおそらく同じ理由で、血糖値を上げるホルモンを数種類持つことも飢餓の歴史が長かった証拠でしょう。先日読んだ「老いなき世界」の著者で老化研究の第一人者であるデビッド・シンクレアが25年にわたる老化研究の末にたどり着いた結論は、寿命を最大限に延ばす確実な方法は、食事の量と回数を減らせです。最先端の生命科学が断食や絶食といったニューエイジやカウンターカルチャーのキワモノとみなされがちだった健康法をメインストリームに押し上げ、不老不死にまで言及したことは衝撃です。エジプトの遺跡で見つかった「人は食べる量の4分の1で生き、残りの4分の3 は医者が食べる」という古代人の警句は正しかったのでしょう。