30年というモラトリアム

海外では鉄壁と評されているらしい菅首相の内閣人事は、無難というより強い意思を感じます。免許証のデジタル化が早速報じられますが重要政策であるDXの推進に期待したいものです。名寄せできないマイナンバーが改善されれば、コロナ禍で不評だった給付金のもたつきもなくなり行政手続きの効率化とスピードアップが一気に進むでしょう。その影響は医療、教育、納税などあらゆる領域と民間セクターに及び、電子政府で周回遅れの日本にとっては先進国最低の生産性の汚名を削ぐ契機になるかもしれません。その前にすべきことは平成の失われた30年の総括だと思います。この間に米国がICTのソフト分野で、中国がICTのハード分野でそれぞれ躍進したように、日本の生存領域を明らかにすることが重要です。7月には東京圏の人口が、統計を取り始めて以来初の転出超過になったように、デジタル化の推進は地方への人の流れにはずみをつけることになります。大量消費を信奉する巨大都市が、幻想と虚構を産み出す神話の語り部であることに気づくのに、30年というモラトリアムが必要だったのかもしれません。

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