人生を主軸にする社会

ウィルス騒動では多くの人が被害を蒙り「お気の毒」などと他人ごとを言っている場合ではありません。一方でこの騒動とは無縁で何事も無かったように給料が振り込まれ、職場に行かなくて助かると呑気に構えていられる人もいます。皮肉なことに価値を生み出す現場から遠い所にいる人ほど安全です。組織ぐるみでお互いに仕事を作り合っている会社を離れると、自分が生み出している価値だけが残ります。平時ならもっと注目されたはずですが、4月から同一労働同一賃金が始まりました。これを厳密に運用すると困る人が正社員の大半を占めることは公然の秘密です。働き方改革や人事制度の多くがミスリードしていると思うのは、労働の一面しか見ないからです。企業は賃金をコストと考え、労働者は生活の糧と考えます。つまり賃金と生活にばかり目が行きますが、労働にはもうひとつの重要な側面があります。それは働くことが人生と分かちがたく結びついていることです。「人は働くことが嫌い」という性悪説を前提に制度が作られ、われわれは働くのも学ぶのも生活のためだと思ってきましたが、本来は働くことも学ぶことも人生を豊かにする生きがいであり、一人ひとりの人生を主軸にする社会がポストコロナに出現して欲しいものです。

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