心身のバランスを取り戻す山への巡礼

昨日は編笠山の肩にある青年小屋まで往復しました。冬型の気圧配置で雨は夜半に雪に変わり一気に冬に逆戻りです。西岳山頂を越えて北斜面に入ると、5月の連休まで積雪が残る豪雪地帯だけに一気に積雪が増え、踏み抜くと腰まで雪があります。雪のない季節なら穏やかな山域ですが、冬に見せる表情は人を近づけない厳しさがあります。前日には同じ八ヶ岳の赤岳で滑落した男性が、唐松岳ではテントごと飛ばされた男性がそれぞれ死亡しています。不可思議な魅力に包まれると同時に山は魔界です。人々が山に引き寄せられるのは自己を霊的エネルギーが高い場所に置くパワースポットめぐりと同じ理由です。この時期の厳しい自然環境は精神性を高める効果があり山への巡礼は一層の高揚感を伴います。弘法大師は都の世俗生活のむなしさを説き大自然を相手に山中で暮らす生活の素晴らしさを伝えたとされます。国土の7割が山の日本では古来より山を神霊の宿る聖地としてきましたが、現代人が山へ向かうのも普段の生活で失った心身のバランスを取り戻すためだと思います。

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