過去を諦め許し忘れる

昨日は高校時代の部活の先輩、同級生と会う機会がありました。意外なのは自分が生涯忘れ得ないと思っている出来事を誰も覚えていないことで、同じ時間を共有しても捉え方は人それぞれです。歴史は勝者によって書かれるフィクションと言われますが、記憶は不安定で書き換えられ、過去や履歴を歪曲しない人などいないのかもしれません。大脳新皮質を経由せずに直接記憶を司る海馬や扁桃体につながる嗅覚は遠い昔の記憶を鮮明に蘇らせます。自分にとっては古いエレベーターで感じるオイルのような匂いが一瞬にして子供時代のある記憶を詳細に目の前に浮かび上がらせます。思い出すのは楽しい記憶が多く、嫌な記憶を都合よく上書きし美化して生きているのかもしれません。過去を諦め、許し忘れることは心がけ次第で可能になり、つらい記憶を浄化しない限り永遠に欲望と執着を取り去ることができないのだと思います。

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