作り手の温もりが心を満たす

オリンピックを来年に控えた日本ですが、景気の動向は潮目の変化を示しているようです。景気が悪化しても、もともとストイックな生活が好きなのでそれほど気になりません。週末に38円の豆腐で朝から湯豆腐を食べる程度のことで十分に幸せです。旅館を買って自分で料理を作るようになってから味覚を観察するようになりました。食べるだけのときは料理というアウトプットから調理工程を想像することができませんでしたが、自分で作るとリバースエンジニアリング的に食材や出汁や調味料の織りなす微妙なバランスの変化が味を作り出すことを理解できます。ミシュランの店に行かなくても美味しいものを食べることはできると思います。味を決める主役は食材と調味料で、出汁と良い塩があれば高いお金を出すことなく料理を味わい楽しむことができます。美味しいことが至上命題の外食は食べる人の健康はそれほど考慮しません。SNSを賑わす料理も概して体に悪そうなものが主流ですが、食べものに必要なのは食欲の喚起や都会的洗練ではなく人の温もりだと思います。先日出先でいただいた素朴なお弁当は添加物や着色料が入っていたとしても作り手の温もりが伝わるような温かいおにぎりだけで心と味覚を満たしてくれます。

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