効能は欲望が消えること

昨日行った那須湯本温泉の滝の湯は、商業施設の鹿の湯とは異なり組合員が使うよりスパルタンな共同浴場です。手荒れなどに効能がありますが、豪華さとは無縁の浴槽に身を沈めると心が平安を取り戻し欲が消えていくことが最大の効能だと思います。古いマーケティングの定義は「生産者が消費者の購買意欲を刺激する一方的な市場操作」とされやがて両者の相互理解へと変遷します。しかし、これは学問上の定義であって現代社会は一方的な市場操作なしに成立しません。もっとも有害で深刻な市場操作は食欲に関するものだと思います。精製度が高い小麦は糖質摂取による血糖の急激な上昇が陶酔感をもたらし食欲の衝動をコントロールできなくなります。糖質制限によりカロリー摂取量が3割程度減るという研究がありますが、それは食欲が減退するからで無理なく贅肉を落とせます。生物が脳を獲得したのはこの5億年ほどとされ、生物は進化の歴史の8割から9割を脳のない状態で過ごしています。最大のエネルギー消費臓器である脳は他の臓器とは別物で自らの欲求だけを満たすために人を中毒にさせます。養生訓は欲に溺れず万事少な目を心がけることを繰り返し説きますが、現代人は人間本来の欲望ではなく押し付けられた欲望で生産者の奴隷にされていると思います。

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