70年代に戻りたい

日本工学院に行く木曜日は車を使いますが自動車通勤にはいくつかのメリットがあります。密閉された個室での移動時間は一種の瞑想になりますし、移り変わる景色が刺激になりアイデアが出やすくなり、運転が好きなら移動そのものを楽しめ自己肯定感も高まります。目下の悩みは愛着の対象になるような欲しい車がないことです。マニュアルトランスミッションであることを選択の条件にすると、もはや選択肢は輸入車とマツダ車の一部と軽トラックぐらいになってしまいます。マニュアルトランスミッションを捨てた日本車メーカーが見落としていたのは、安楽と楽しさは同居できないことだと思います。加速も燃費もオートマチックが優れているにしても、テクノロジーを優先して運転から人間を追い出したときから自動運転に至る車終焉の歴史は運命づけられたと思います。1968年に東名高速が開通し日本が本格的なモータリゼーションの時代に入った1970年前後の自動車こそが欲求の対象で、相手が最新のフェラーリやマクラーレンだとしてもスマホゲームのような運転感覚に楽しさも豊かさも感じることはできません。貧しかったからこそ欲求が増幅されるのであって欠乏なき豊かさは成立しないと思います。

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