政治誘導された巨大市場

いくつかのビジネスは利益相反の側面を持ちますが、医療や製薬はその一つだと思います。戦争がなければ軍隊が存在意義を失うように病人がいなくなれば医者が不要になります。生涯薬を飲み続ける患者がいることで付加価値が最大化しますから、現代の医療が対症療法であることを批判するのはお門違いかもしれません。一部の正直な医者は「一生治らない」と事も無げに言い患者を絶望の淵に突き落とします。病気や症状の原因を聞いても答えは曖昧な割に、治らないことだけはなぜか断言します。余命宣告も多くの場合残酷で患者のことを考えた行いとは言えません。巨大産業となった医産複合体を悪魔のように扱うのは間違いで、人が病気になることで潤う産業構造を知らない方に責任があります。成熟した消費社会では不要なモノを売りつけないと産業は成立しませんので、病人を増やすことでしか成長できない宿命を誰も批判できません。治療や薬が必要ないことを告げる良心的な医者は少なくありませんが、薬を出さないと怒り出す客もいます。医療情報サービス会社IQVIAが発表する2018年の日本の医薬品市場は9兆円ほどですが、多様であったはずの医療を石油由来の合成医薬品による薬物療法だけに政治誘導することで作り出された巨大市場は、最も成功したビジネスモデルの一つだと思います。

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