人生が終わる緊張感

トレラン界最大のイベントであるUTMBの傍らで、昨日は身近な方の海外の山での事故が報道されました。夏の始めにはごく身近な方の山での訃報に接したばかりで、いずれも経験のあるベテランですから、山では誰しも事故とは無縁でないことを思い知らされます。一見平和に見える山はいつも死と隣合わせです。名のあるアルピニストが挑戦するような高山でなくても、よく行く八ヶ岳でも南アルプスでも、あるいはもっと身近な山でもいつも死はそこにあります。平和な日本では日常生活で死を身近に感じる機会はありません。どこか近づき難い古めかしい登山スタイルを嘲笑するように、軽装登山の若者が山に入るトレンドは一面では好ましい傾向であり、他方で目の前にある危険への感度を鈍らせないとも限りません。風光明媚な観光地を回るだけの旅行に飽き足らない人たちの新天地は、より刺激的な冒険旅行です。肉体を自然に晒し、何が起こるか分からない不確定要素が冒険旅行の魅力ですが、その代償の大きさを意識する必要があると思います。人生がいつ終わるか分からないという緊張感があるからこそ、その世界にのめり込むのかもしれません。

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