エネルギー消費は豊かさの象徴?

唯一無二の普遍的通貨であるエネルギーを軸に人類史を遡る「エネルギーの人類史(上・下)」を昨日読みました。人間の筋肉が唯一の原動力であった時代から、より高い効率を生み出す家畜が使われるにようになり、筋肉の力学的効率によって決められていたエネルギーはやがて水力、風力、非生物原動力の蒸気機関へと発展しながら労働生産性を高めてきました。いまや経済的に恵まれた上位4分の1と下位4分の1の人が直接利用するエネルギー量の差は40倍とされます。19世紀のイギリスの刑務所で懲罰手段として導入されたトレッドミルを、現代人はスポーツクラブでお金を払って踏みます。歩くか走るという2つの移動様式で個人の移動の全てが占められていた時代ははるか彼方ですが、現代人を夢中にさせるトレイルランニング競技はあたかもその時代に回帰するトレンドに見えます。世界中を震撼させたアメリカ同時テロのハイジャック犯が持っていた武器は数本のカッターナイフだけでした。後期旧石器時代から3万数千年の隔たりで定住生活様式に移行するに従い足の骨の曲げ強度が低下していること以外、人体は以前とさほど変わっていないと言います。40倍のエネルギーを消費するようになった日本人の今の生活が、本当に進歩の結果得た豊かさだったのか考えさせられました。

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