天国のような埋もれる暮らし

以前から長寿村に興味があります。世界の長寿地域であるブルーゾーンに共通することは急傾斜の地形です。急傾斜地は稲作等に適さずGI値の低い雑穀類が主食なこと、傾斜地の移動で足腰を鍛えられることが指摘されます。東京近郊では上野原市棡原(ゆずりはら)集落が有名で幾度となく足を運びました。俗世と隔絶された深山幽谷の古い民家を訪ねると、退廃的な贅沢とは無縁の穏やかな暮らしがこの上なく満たされた時間に思えます。アメリカの研究によると、もっとも健康に適する食事は江戸時代、とくに松尾芭蕉が奥の細道の旅に出かけ、赤穂浪士の討ち入りがあった元禄時代の和食とされます。動物性タンパク質より野菜や魚を中心とした質素な食事が似合う暮らしです。この世に天国があるなら、それはハワイやシンガポールの高級コンドミニアムではなく、人知れぬ山中での埋もれるような暮らしだと思います。

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