経営と執行を分ける不可解さ

その行方に世界が注目するゴーン・ショックですが、経営と執行を分けることの不可解さが背景にあると思います。監督と執行を分離するという主張は一見正しくても簡単に骨抜きにされ、国際標準と言われる法外な役員報酬は日本的経営の美点であった組織の一体感を分断しました。執行役員制度を最初に導入したソニーが、次第に輝きを失って行ったことも利益を追う変節にあると推察されます。90年代の経営を表現するなら「思い上がり」でしょう。先人の功績を忘れ、自分たちが企業や国を動かしているかのごとく錯覚した経営層が、考えもなく欧米流の経営を志向したことは想像に難くありません。株主至上主義的なガバナンスとプロ経営者への無批判な礼賛は、企業の持つ存在理由を消し際限のない欲望の淵へ導いたと思います。そしてその残像はいまも企業をじわじわと苦しめています。

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