安住の地を捨てる

留学場所を移動する娘から週末に荷物と手紙が届きました。ニュージーランドの素晴らしさは宅配便の箱に至るまであらゆるデザインのモチーフが統一されるビジュアル・アイデンティティの一貫性です。国章から幻となった新国旗、オールブラックスのエンブレム、エアラインの機体からあらゆるものが大木に成長する木生シダのシルバー・ファーンやマオリ族伝統のデザインをモチーフにしています。五感の大半を支配する視覚情報として国のブランド価値を可視化するのは、小国ゆえの存在感を高める方法なのかもしれません。引越しのさなかに書かれた短い手紙からは日本を発つ前には想像ができないこの8ヶ月の成長が分かります。昨年暮から3ヶ月我が家にホームステイしていたオーストラリアからの留学生といい、多感な時期の10代半ばの成長には目を見張るものがあります。それに比べれば個人事業者になりこの2年で変わったと騒いでいる自分の成長など物の比ではありません。心地よい安住の地を捨て、厳しい環境で未来を切り開こうと必死にあがくことで、人は初めて成長できると思います。幸か不幸か今の日本社会はその逆を目指しているように見えます。

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