自分に出会えるトレイルレース

新甲子温泉はさほど寒くなく、風もない穏やかな朝です。鳥のさえずりが乾いた森の空気に心地よく響きます。旭岳の北斜面の谷筋には雪が残り、おそらく来春まで消えないでしょう。阿武隈源流にはたくさんの魚影が見られます。天国のような阿武隈源流の散策路を歩いていると何か後ろめたい気持ちになります。

もう山岳レースから遠ざかり1年が過ぎます。この宿で出会うアスリートと話していると日々安穏と暮らす生活を改めねばと思います。ぼくがこれまでに出たレースはKobo Trail(弘法大師の道)の55.7kmが最長ですが、いまやトレイルレース界は100マイルレースが主流になりつつあります。短距離のレースでさえいつも走りながらリタイアする理由ばかり考えます。しかし自分の弱さに向き合うことで自分自身との対話ができます。山を走りながらいろいろな自分に出会い、本当の自分に近づける気がします。それは自分の性格がどこかに集約されていくような感覚です。宿の前の阿武隈源流のトレイルが雪で覆われる季節も目の前です。

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