官能ではなく本能

慣れたとはいえ、一人分の食事を作るのは面倒です。パエリアを練習がてら外で作るには寒く、買い物にも行けなかったので、昨夜の主食は冷蔵庫にあった地元産の馬鈴薯(きたあかり)を圧力調理して塩とオリーブオイルで食べました。手をかけないのにいくらでも食べられる美味しさです。

自分で料理をするようになって美味しさとは何かをよく考えます。多くのレシピや飲食店は中毒的美味しさのために砂糖や塩を大量に入れます。ぼくが考える美味しさは脳が創り出した幻想にすぎない官能評価ではなく、本能で感じるものです。グルメブームの弊害はブランドや産地、有名店など記号的に美味しさを判断する人が増えたことだと思います。「ブランド品だから美味しいはずだ」と自己暗示をかけた一種のプラシーボ効果です。

中毒的美味しさで食べることの問題は満腹以上に食べてしまうことです。小腸には神経細胞があり、自分と対話しながら味わって食べる習慣があれば、食べるのを止めるタイミングを教えてくれますし、ジャンクフードに手を伸ばすこともなくなります。生きるために食べるのではなく、食べるために生きるようなライフスタイルが癌を始めとした生活習慣病を増加させていると思います。

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