下積み不要説の真偽


新社会人4カ月の娘を見ていると、下積みは大変だなと思う反面、リモートワークの普及によって、自分の時代には常態化していた、付き合い残業とは無縁の生活がうらやましくもあります。建前が後退して、組織が成果を追求する機能体に近づくと、他方で弊害も生じます。終身雇用が崩れ、転職が当たり前になると、疲弊した中間管理職に新人を育てる余裕はなくなり、他方でインターネットの普及により、専門知識やスキルに比較的容易にアクセスできるようになると、下積み不要説も真実味を帯びます。身体化された職人の技や感覚、長年の経験で培われる目利きや、医療従事者のような膨大な基礎知識と臨床経験の積み重ねこそが、これまでの日本クオリティの基盤を作ってきたことを考えると、終身雇用、年功序列、企業内組合などの昭和の家族的経営が必ずしも時代遅れとは言えず、急速な働き方の変化には一抹の不安を覚えます。

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