一瞬の破壊的な幸せ


昨年は古来より脈々と続く山口県での石風呂の体験に始まり、四国、九州まで石風呂の遺構調査に遠征するなど、サウナの源流をたどる一年でもありました。これまで入ったサウナで気持ち良く汗をかけた施設に共通するのは、サウナストーンの量が多いことだと気づきました。今も北欧で愛される伝統的なスモークサウナにも大量のサウナストーンが置かれ、その点で石室そのものを温める石風呂や韓国に見られるスッカマは、サウナの正統な源流と言えそうです。昨年末には業界を震撼させる事件が起き、サウナを取り巻く環境は決して良くありませんが、それでもサウナの素晴らしさは変わらないと感じます。それには前提条件があって、良好な体調、サウナ室の温度・湿度、良い水質と適切な水温の水風呂、冷気を浴びられる開放的な外気浴などが揃った結果生まれる、一瞬の破壊的な幸せのためにサウナはある気がします。

夜空の恩恵


昨日の朝5時過ぎに散歩に出かけると、長野県の気温は氷点下6℃まで低下します。森が途切れる場所で空を見上げると、満月に近い月が西の空に沈み始め、視界のなかを動いて行く人工衛星を5機数えることができます。宇宙では日々冷戦が激化しているはずですが、星の一つに見えるその物体の動きは何とも厳かで神秘的です。東京でもラブラドールとの早朝の散歩中に流れ星を見ることはありますが、人工衛星を見た記憶はありません。光害の少ない場所なら、天候と時間帯によっては容易く人工衛星を見つけることは可能だと思います。散歩から戻る頃にはまだ暗い空に流れ星を見ました。ロマンチックなのは流れ星で、そのはかなさが古来より人々に特別な感情を抱かせてきたはずです。光が氾濫し、夜空の恩恵を受けることのできない都市に住む必然性について考えてしまいます。

寒さで実行力が身につく


元旦は諏訪大社前宮に初詣をしてから、7時に近くのスターバックスに行き、帰宅後おせち料理を食べてから八ヶ岳の西岳に登るのが数年来の恒例です。例年ほど寒くなく雪も少なめですが、下り道のスノーランはセロトニンが分泌されるような幸福感があります。寒い季節になると、ついつい暖かいところを離れることが億劫になりますが、サウナの水風呂と同じで、この季節の山の寒さは、免疫力向上と代謝アップのトリガーになります。ビジネス人がサウナを好む理由は、水風呂の刺激にあると思います。冬の朝の水シャワーと同じで、少しの勇気が必要ですが、その後にやってくる調いの快感を知ればその躊躇はなくなります。これは仕事も同じで、ちょっとした躊躇に自分から飛び込む習慣をつけることで、人に背中を押してもらわなくても実行力が身につくのかもしれません。

適切な趣味


昨年の個人的なニュースは、長年悩まされてきた腰痛が、日常生活の支障にならない程度に改善したことです。老化とあきらめるのは思い込みで、やり方次第で体は元に戻るという気づきは、自己肯定感につながります。今年の目標は、運動最盛期の体を取り戻すことです。もう一つは2軒の古民家サウナの経営を軌道に乗せ、新しいプロジェクトを始めることです。人生の後半に入った人間にとって、マイビジネスを始めることは自己実現に近づき、同時に適度な緊張を維持できる適切な趣味だと思います。定年を契機にビジネスの経験を断絶してしまう風潮は、勿体ない気がします。幸か不幸か定年より早く組織を離れた自分には、仕事をしないという選択肢はなく、そうした強迫観念がなければ、怠惰な道を選んでいたはずです。そのモラトリアムも10年を迎え、仕事の刺激で心身を活性化する一年にしたいものです。

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