
昨今の飲食FCで話題を集めたのは鰻の成瀬だと思います。目的食のウナギを、吉野家や松屋と高級店の中間の価格帯で提供するビジネスモデルは、高級食パンや一過性のブームに終わった多くのFC飲食とは違い、順調に店舗数を伸ばしてきました。中国で加工されたウナギを、二等立地以下の小箱の居ぬき店舗で提供し、原価率が高い反面、投資回収の早いビジネスモデルです。自宅の近所の下北沢店もビルの2階にあり、そのビルの外観は傾いているように見えます。急展開を達成した結果、昨今では赤字店舗も目立つようになり、評価は賛否両論ですが、おそうじ本舗出身のチームを中心に外注企業との分業により、社員を雇用せず、展開スピードを上げる戦略は異色です。社長は飲食業経験もなく、ウナギにも、スチームコンベクションオーブンにも触ったことがないと豪語し、FCマニアによる究極の仕組化の将来が注目されます。
月: 2025年11月
お金を使わない贅沢

昨日は山梨100名山の太刀岡山(1,322m)、黒富士(1,633m)、曲岳(1,642.8m)に登りました。急峻なトレイルに、ラブラドールは途中で車に引き返しました。太刀岡山はロッククライミングのメッカとして知られますが、歩く人はわずかで落ち葉の降り積もった極上のトレイルを進む初冬の風情に幸せを感じます。家に戻り温かい湯舟に冷え切った体を沈めたときの快感も最高なら、薪ストーブで暖まり始めた部屋で食べる鍋も、妻の実家でもらった柿も何もかもが美味しく、これこそがアフォーダブルラグジュアリだと思います。手の届く贅沢が最高の幸せなのは、それが日常生活に近いがゆえに色あせないからだと思います。産業界が都合よく書き換えた贅沢の体系に毒された消費者は、お金を使うことでしか贅沢や幸せを感じなくなってしまったのかもしれません。
民宿の時代


先日南会津の田代山(1,926m)に登った前日は、この山の開山者の子孫が営む民宿に泊まりました。単一の台地状湿原という世界的にも珍しい山頂に、400種類の高山植物が咲く「山上の尾瀬」は、かつて魔物が棲む山とされ恐れられてきたと言います。明治45年に山頂に弘法大師堂を建立したのはこの家の6代目で、現在の宿の主人は10代目になります。僻地では珍しいことですが、12代目にあたる孫が民宿を引き継ぐと言っているのは、後継者不足に悩む業界にとって明るい話題です。築140年の古民家を使った民宿で郷土料理を味わう体験は、本当の旅を求める欧米インバウンド客にも受けると思います。昨今カプセルホテルで欧米人を見かけるのは、非日常とやらに毒されない、リアルな日本を見たいからのような気がします。その点で、ホストの日常生活が見える民宿の時代が、これから始まるのかもしれません。
N-VANに泊まる


1泊2食6,380円という価格に興味を持ち、会津高原国際人財センターに泊まりました。芝浦工業大学の創立70周年記念事業として1998年に開業し、2021年に公益財団法人国際人財開発機構に譲渡された施設です。学校法人の宿泊施設は全国にあり、甲子高原にあった獨協大学のセミナーハウスも最近解体されました。宿泊人員は120名で研修室が豊富にあり、現在は外国人労働者の日本語研修に使われます。2か所ある大浴場は温泉ではなくなり、露天風呂も閉鎖されています。見たところ従業員は2名だけで、食事は山小屋以下です。20名程度が1か月間滞在する安定需要があり、会津高原たかつえスキー場に近く、尾瀬や会津駒ケ岳、田代山などへの中継点としても使えますが、年間稼働は4割以下に見えます。記念事業だけに施設は悪くないのですが食事が貧弱で、あと2,000円出して料理の美味しい民宿に泊まるか、厳冬期でなければN-VANに泊まる気がします。
最良の熊対策

昨日は南会津の田代山(1,926m)と帝釈山(2,060m)に登りました。熊が心配ですが、最近の熊被害は住宅街でも起こり、古民家のある舘岩の中心部である国道352号の松戸原交差点付近でも前日に熊が目撃されました。イギリスでは日本への渡航者に注意を呼び掛けるほど世界的な関心を集め、秋の行楽シーズンを迎えた観光地にとっては深刻な経営問題です。山に入るとき熊鈴を携行しないのは、逆効果だと思うからです。相手が臆病な熊で偶然の遭遇を避ける上では有効かもしれませんが、深刻な人的被害は、背後から襲い藪に引き込む人喰い熊が相手であり話が違います。何より周囲の気配を鈴の音が消してしまい、禍を自ら呼び寄せるようなものです。先日15mの距離で熊と出会いましたが、静止状態から襲われても足が速く猶予は2秒以内です。粗悪品も多い熊スプレーで対処するのも、闘うこともリスクがあり、首と頭を覆い伏せることが最良の対処法だと思います。
禁断の車

昨日スタッドレスタイヤを交換しました。昨今のスタッドレスは雨天の走行などに気をつければ、通年使えるオールラウンド性能があると思います。1年前に交換し溝は十分あるように見えますが、45,000kmを走っているので新しくしました。N-VANの145/80R12のブリジストンのスタッドレスなら4本工賃込みで24,800円と割安です。今時なぜ12インチタイヤなのかと思いましたが、扁平率80ならサイドウォールが厚く乗り心地に貢献し、145サイズなら重心が分散されず雪道でのグリップ力も期待できます。年間5,000円の重量税といい、売れている商用車は部品も安く、信頼性が高く、乗用車より耐久性の高い部品が使われ、ノントラブルで5.4万kmを走っても不便はありません。登山口に続く狭い林道にも躊躇なく入れ、6速MTは運転が楽しく、車中泊に最適で、生活をシンプルにしたい自分にとって、これ以上の付加価値にお金を払う理由を感じさせない禁断の車だと思います。
目立たず質素な生活を送る

昨日は白河に来ました。古民家は現代的な快適性を兼ね備えているわけではなく、不便で、生理的な苦痛を感じることも少なくありません。しかし、寒い夜に薪風呂やサウナで体を温める、身近で原初的な喜びこそが偽りのない幸せだと感じます。豪華で派手なライフスタイルとは対照的に、なるべく目立たず質素な生活を送る富裕層のあり方は、ステルスウェルス(Stealth Wealth)として注目されます。贅沢な暮らしに全く関心のない富裕層は一定数いましたが、豪華な生活をひけらかせば、税務署や犯罪者に目を付けられます。成熟した真の実力者はその力を誇示する必要がなく、誰の承認も不要で、唯一必要なのは自身の心の平穏だけです。富の成熟の最終段階であるステルスウェルスの文脈において、誰にも気づかれない品質こそが最高の贅沢であり、単なる節約や倹約とは異なり、真の豊かさと自分らしい価値観を体現できるのかもしれません。
車らしさを取り戻す

モーターショーの季節になりました。自動車が眩い存在だった頃の晴海には足を運びましたが、ビッグサイトに移転してからは雑誌で見るだけのイベントになりました。環境問題を利用するグローバリストによるEVシフトが進んでからは、自動車そのものへの関心が薄れました。しかし、今年のジャパンモビリティショー2025は時代の転換点を思わせ、それは市販化が予定されるBMWのスピードトップ・コンセプトのような、20世紀のエレガントでクラシカルな自動車への回帰です。時代遅れの走る離宮と言われたセンチュリーも、突如スーパーラグジュアリブランドとなりクーペを発表しました。軽規格に収まっているとは思えないほど自然な造形のFRコペンと言い、車好きが車を作り始めたように感じます。自動運転の時代こそ、マニュアルトランスミッションや内燃焼機関など、車らしさを取り戻す時かもしれません。
だらしないよりマシ

憲政史上初の女性首相という時代の転換点の意義以上に、高市氏は政界のイメージを一変させたと思います。29歳以下で9割を超える圧倒的な支持を受け、首相と同じファッションをするサナ活は社会現象です。老舗バッグメーカーが30年前から作るモデルは早々と完売し、高級ブランド品でないことも好感を呼びます。お手軽なところでは、三菱鉛筆多機能ペンのジェットストリームも売れていると言います。トランプ大統領との日米首脳会談の親密ぶりを、左傾化したオールドメディアは、はしたないと書きますが、だらしないよりはるかにマシです。ホワイトハウスがSNSに投稿した動画は、映画のワンシーンを思わせる美しさで、既得権益がうごめく利権政治の薄汚さとはまるで別世界です。安全保障に裏打ちされた経済成長モデルであるサナエノミクスは、アベノミクスの三本の矢より分かりやすいことも、高い支持率の要因でしょう。
ほどよく暴走?



妻の父の誕生日にホテルのブッフェに行きました。帝国ホテル発祥とも言われる、いわゆるバイキングの魅力は、人間に食欲がある限り色あせないと思います。普段は一日1、2食の生活でほぼ外食をしないので、たまに羽目を外し食欲を解放するのに食べ放題は最適です。2年前に開業したヒルトン横浜はどちらかと言えば地味な存在ですが、オールデイダイニングのディナーブッフェは7,800円と微妙な値付けながら、和洋中のメニューとデザートが充実し、本店の新宿よりも全般に料理の質が高いと感じます。食事の目的が活動のためのエネルギー源と体を維持するための栄養素の摂取なら、普段の食事は自ずと粗食傾向になります。他方で食欲を刺激することに重点が置かれる外食では、健康は二の次三の次です。生きるためには食欲が必要な反面、欲望に身を任せれば寿命を縮め、ほどよく暴走させることも健康の秘訣かもしれません。