政治への幻想

近所に区議会議員選挙の掲示板が作られ、小さな子供がお母さんに「これビンゴ?」と聞いています。ビンゴなら9升で済みますが、人口94万人の世田谷区では、90人近い候補者を貼るスペースがあります。狭い集団内の選挙は一定の意味を持ちますが、見ず知らずの人を政党や顔写真のイメージだけで選ぶはめになります。投票には行きますが、選挙制度の非効率さは異常だと思います。失政が経済を崩壊させ、先進国から短時間で後進国に陥ったアルゼンチンのように、政治は国民の生命、財産に直結します。一方で政治家の仕事の多くは民間委託やAIに置き換え可能であり、クオリティーは向上し議会対策や選挙運動など無駄な業務コストが減ると思います。政治への幻想が既得権益を温存し、国の未来に明るさを見出せない理由に見えます。

自分の年齢は自分で決める

出合いと別れの季節は出発と終着の季節でもあります。最初に就職した会社に勤めていたなら先月末で定年を迎えていたはずです。定年など想像できませんでしたが、いざ自分がその年齢になると、ここからが出発だと都合良く考えるものです。鈍感なのか楽天的なのか、自分の年齢を悲観しないのは、若い時と比べて不便になったことがないからです。視力はむしろ良くなり、肥満やアレルギー疾患も解消しむしろ健康でQOLは改善しています。10年前の写真と比べると外見はそれなりに変わっているはずですが、所詮その程度の違いです。年齢を理由に参加を断られるツアーはありますが、団体旅行は嫌いですし、やりたいことはできる時にやっておいたほうが良い、という不吉なアドバイスをあせって実践しようとも思いません。人は社会が押し付ける年齢を安易に受け入れますが、自分の年齢は自分で決めるものでしょう。

最後までスキルを磨き続ける

新年度に入り街で新社会人の姿を見かけると、働くことの意味を考えます。パラレルワークが当たり前になり、サラリーマン生活は以前ほど堅苦しいものではなくなり、仕事を主体化するチャンスが増えると思います。7年ほど前にサラリーマン生活を止めてからは、別の視点で見られるようになり、仕事はお金では買えない体験ができ、スキルを磨く自己投資になり、ときには感謝され、自己実現の可能性を秘め、お金までもらえる最強のエンターテイメントと言えます。そう考える人が少数派なのは、お金を稼ぐことを義務と考えるからかもしれません。仕事が義務ではなく働く権利であるなら、誰もが仕事を人生と一体化し自由を謳歌する資格を持つはずです。定年にかかわらず生涯働き続け、人生の最後までスキルを磨き続ける意欲を継続するなら、人生の後半に今よりはるかに明るいイメージを持てるのでしょう。

自分を奪われるスマホ脳

「スマホ脳」がベストセラーになり、スマートフォンがドラッグであることが認知されるようになりました。スマホをメッセンジャーやLINEの着信通知機能ぐらいにしか使っていない自分でさえ、短期の記憶が低下している自覚があります。スマホのQRコード決済に慣れると、財布を持ち歩くことも、ICカードやクレジットカードを取り出すことさえ面倒になり、ましてや現金しか使えない店には行かなくなります。便利なサービスは、脳と行動、人間の能力を知らぬ間に支配すると思います。会話を減少させ、カーナビは脳の空間認識力を低下させ、ながら仕事は脳の効率と集中力を下げ、ブルーライトはメラトニンを抑制し、電磁波が人体を蝕み、ゲームなど非生産的な気晴らしに時間を使います。最も恐ろしいことは流される情報を受け身で消費する存在になり、皆と同じことが自分のしたいことだと錯覚させ、自分を奪われることだと思います。

居住移転の自由

那覇から戻り一週間が過ぎ、今のところ花粉症の症状は出ません。花粉症歴3、40年ですが、鼻づまりによる呼吸困難や思考停止も、くしゃみで肋骨が折れそうになることもなく、美しい芽吹きの季節を屋外で過ごせる素晴らしさを感じます。多拠点居住がヨーロッパのお金持ちに注目をされ始めたのは1960年代で、滞在日数が居住者になる前に出国して合法的に納税義務を回避するパーペチュアル・トラベラーはひとつのライフスタイルになっています。マイナンバーにより節税が困難になると、日本の居住者であることの弊害を避ける動きが増えるのかもしれません。租税回避が目的でなくても多拠点居住は様々な土地の刺激を受けるメリットがあり、人が移動をすれば消費が生じ地方の経済を潤します。日本においては、大日本帝国憲法以降「居住移転の自由」が認められますが、テレワークができる時代に土地に縛られて生きることはもったいない気がします。

自炊は健康の鍵

甘いもの好きの悩みは砂糖の過剰摂取です。人類史において食事を喜びに変えたのは穀物と砂糖であり、ヒット商品には、血液中に素早く吸収される精製された砂糖が欠かせません。砂糖は短時間で疲労を回復させる魔法の薬であり、同時に多くの現代病の原因です。腸内腐敗、骨の劣化、記憶の低下、酵素の阻害、肌の老化など、タバコに匹敵する害を体に及ぼします。血糖値を急上昇させる砂糖を脳は喜び、健康被害を自覚しても止められません。最近のデザートはもっぱら焼き芋や焼きバナナです。オーブンやトースターで焼くだけの手間いらずですが、焼くことで甘味が増し一級品の美味しさです。ケーキ類が食べたいときはYouTubeなどの簡単なレシピで作れば市販のデザートより数段安全で、よく作るティラミスは市販品の5分の1ほどの材料費です。自炊は財布にやさしいばかりではなく健康の鍵だと思います。

家を使い続ける文化

昨日は知的障がい者施設の付き添いで、杉並区井草にある「農福連携農園」に行きました。障がい者や高齢者などに農業に親しむ場を提供する、農業と福祉の連携する施設として2021年に開設され、JA東京中央が運営を行います。いきがいや就労、食育につなげる目的の農園が、環状八号線のすぐ近くにあると思えないのは、2020年まで上井草にあった江戸時代中期の建築とされる農家の住宅部材を活用した多目的スペースがあるからです。かまどのある土間、いろりのある広間、座敷、寝室で構成される「三ツ間取り広間型」と呼ばれる、江戸時代初期から中期にかけて続いた様式の古民家は、区内に現存するものとしては最古とされます。戦後、安易に作っては壊すことで街並みを破壊してきた日本ですが、代々家を使い続ける文化とともに美しい街並みを取り戻したいものです。

ハイリスクな生活習慣

現代最良の健康法は16時間断食だと思います。断食と言いながら、8時間の間に食事を済ませるだけで、我慢を強いられることもありません。メリットの多いこの健康法には問題があり、血糖値スパイクにより食後3、4時間で低血糖に襲われることです。那覇滞在の後半から食生活が乱れ、昨日の昼食には避けるべきトーストを食べてしまい、夕方になって低血糖症状に陥りました。血糖値上昇を抑えるためにサラダを食べたあとにトーストを口にしたのですが、インスリンの大量分泌は明らかです。唯一の救いは、身体の発する警告を自覚できることです。恐ろしいのは無自覚な不摂生で、気づかずにこうした生活を送っていると身体は知らぬ間に蝕まれます。いずれスマートウォッチなどのデバイスにより正確な血糖値や血中酸素、血圧、心拍数を誰もが目にするようになると、ハイリスクな生活習慣を改めるきっかけになるのでしょう。

心身を満たす食べない自由

3週間ぶりに那覇から帰り元の生活に戻ると、時差はないのに一種の時差ボケに似た症状が出ます。朝起きてその日の予定を考えるめりはりのない生活に対して、すべきこともあり時間の制約を受ける日常は、多少疲れるらしく睡眠時間が1、2時間伸びました。睡眠時間が伸びたもう一つの理由は、那覇滞在の後半に魅力的なアメリカンスタイルのスーパーに行くようになったからだと思います。併設のブッフェレストランで食欲を解放した頃から、脳が偽りの食欲にハッキングされ始め、不摂生が始まりました。食べることがあまりに魅力的なため、人は食べる自由を一方的に受け入れて来ましたが、食べる自由はまやかしの自由です。現代人の多くは食べない可能性を試してこなかったために、より少なく食べることで食事と向き合い、味わい、感じるという、心身を満たす食べない自由と人体の可能性を放棄してきたと思います。

閉鎖社会の最適戦略

アステラス製薬の日本人社員が北京市内で拘束されたのは、前中国大使の離任面会を岸田首相が断ったことへの報復でしょう。いつもの対応は手の内をさらすのと同じで、むしろ交渉相手に安心感を与えます。立憲民主党の小西氏が麻布食品との不自然な関係を問われて動揺し、Twitter投稿で墓穴を掘ったことも同様でしょう。自分に正直に生きない人間は、いつでも取り繕う必要があり、その心と虚勢は禍となってわが身に降りかかります。幕末の下田に来たハリスが、日本人を喜望峰以東で最もすぐれた民族と評したのは、身分に関係なく正直で勤勉で質素な生活を目にしたからと言われます。島国日本の閉鎖社会では、一旦信頼を失えばそれが終生つきまとう汚名になり、正直で勤勉に生きることが日本社会における最適な生存戦略と言えます。人をだまし安直に稼ごうとする人間模様が目立つ昨今、まっすぐ正直に生きる日本人の原点に戻るべきなのでしょう。

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