至福の時という幻影

山桜の花びらが舞う屋外にテーブルを出し、鳥の声を聞きながら日差しの温かさを感じると、その時食べているものが昨日の残りのカレーだけだとしても幸せな気持ちになります。幸せのために人はお金を払いますが、そこで得た幸せはお金を払った瞬間に地位材に変わり、はかなく消える運命にあります。外部からもたらされるいっときの喜びは刹那的で、長く続く幸せは内部から湧き上がるものでしょう。お金こそが幸せを手に入れる唯一の手段かのように人は行動しますが、実態は逆です。お金で買った幸せは支払いが止まると消え、執着だけを残して去っていくからです。人が集まる場所は幸せの販売会場ですが、有難いことに最も幸せを感じることのできる山の中にやって来る人はまれです。人はお金を払った先に「至福の時」があるという幻影を見ますが、過ぎてしまえば次の幸せで埋め合わせる虚しさだけが残るものかもしれません。

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