先月末に父が亡くなり、昨日は雪のなか親族で葬儀を済ませました。92歳は今となっては大往生とも言い切れませんが、糖尿病を患っていた割には長寿を全うしました。亡くなる10日ほど前、病院に搬送される救急車のなかで「お腹が空いた」と言うほどの食欲は、生きる力の源泉かもしれません。戦争中の話をもっと聞くべきだった、という後悔はありますが、亡くなる前日に見舞うと顔色が良く、穏やかな最期であったことが何よりです。死を身近に感じるとき、人は生きる意味と向き合います。世間には、幸せを基準に人生の良し悪しを判断する風潮がありますが、どのような人生にも意味があり、日々と真剣に向き合い、全うすることに生きる価値がある気がします。人生を謳歌するとは、贅を尽くした消費を最大化することではなく、慎ましい暮らしのなかで、自分の内面に関心を向け、物心両面で満たされることだと思います。