ウクライナ侵攻から1年が経ち、毎日のように命が失われ、恐怖のなかで懸命に生きる国民がいることに実感が湧きません。ベトナム戦争のときも、イラク戦争のときも、そして数えきれない世界の軍事衝突も記事や動画が伝える情報に過ぎません。普段と変わらぬ平和な朝を迎えることに、日本人は有難さを感じず、一方で戦争は、指導者の狂気でいとも簡単に始まります。人の幸せを踏みにじる悪魔的な所業ができるのは、すべてを根こそぎ奪い去る際限のない欲望を持つからかもしれません。布団に入り眠りにつくとき、山のなかで自然を愛でるだけで幸せなのに、与えられた価値観と私的欲求に突き動かされ、経済をまわすために生かされている現代人は、消費対象の微細な違いを幸せだと考えます。神だと思って招き入れた消費崇拝こそが悪魔で、感性を磨けば平凡な日常に喜びを見いだすことができるのでしょう。