最も原初的な旅

昨日は世界で最も過酷とされる山岳レースTJARの予選会がありました。3,000m超の日本アルプスを越えて日本海から太平洋までの415kmをコースタイムの三分の一より短い8日以内に踏破します。人がするスポーツを見る趣味はありませんが、TJARが唯一の例外なのは、サポートを受けることなく、独力でゴールを目指す最も原初的な旅に憧れを感じるからです。極限まで肉体を酷使するレースの勝敗を分ける要素は荷物の軽量化で、言い換えるならどれだけ食べずにどこまで進めるかにあります。フランスのモンブラン160kmを巡るUTMBで、かつてマルコ・オルモが59歳で連覇したように、エネルギー産生回路が変わり省エネの肉体を手に入れた更年期以降の方が有利なことはとくに興味を引きます。過酷な環境を生き残ってきた人体は本来最小限の食糧で生きることができ、サバイバルモードに入った時にこそ生命力をみなぎらせ、そんな過酷な山行に旅のロマンを感じます。

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