何もしない週末

花粉症の季節は山にも行かず、週末は外出をせずに家で過ごしました。冷蔵庫にある食材で作る簡単な総菜と漬物、味噌汁、ご飯だけの食事を豊に感じます。豊かどうかは感受性が決める問題であって、欲望の赴くままに贅沢な食事をすることとは限りません。食べたいものを食べるという、欲望の解放を許されたわれわれは人類史の異端です。飽くなき欲望の追求はエスカレートし、やがてささやかな日常を蔑むようになり、食べる前から記号的に美味しいかまずいかを決めつけます。非日常的な食事は飽きますが、感受性を失えばはかない幸福を求めてさまよい、消費を続けることでしか心の平安を保てなくなります。いつものように一日が平和に終わり、瞬間的に寝落ちし、いつもの時間に起き出しラブラドールと散歩をしながら昇る太陽を見るだけで幸せなのは、人体の最も大切なメカニズムが体温や血糖といった体内の平衡を同じ状態に保つ恒常性の維持にあるからでしょう。なるべく他者の命を奪わないミニマムな毎日こそが良く生きることだと思います。

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