快楽より快感

東京に暮らしながら福島や長野に移動することが多く自動車は必需品です。7年で15万km走って理解したのは小さい車は眠くならないことです。深夜早朝に走る長距離移動の大敵は睡魔ですが、挙動の鈍い大きな車より、リニアに運転感覚を伝える小さな車の方が長旅に適しています。4人の移動に過不足なかったかつてのミニが、今では存在感のある立派な車に進化したのは、車は大きいほど良いとの迷信が原因だと思います。大きくて安楽な車は疲れないと考えがちですが、運転していることを忘れるほど快適な以前の大きな車は眠くて仕方がありませんでした。旅館の軽トラックで一日に800km走ったときもたいして疲れなかったのが印象的です。今のフィアットは軽自動車並の大きさですが、運転そのものから得る内発的な快感は、快適な装備を持つ大型高級車の外発的な快楽に勝ります。食事を減らすと日常の食事が快感になるように、よりストイックな環境に身を置く方が人は感受性を高め、逆に快楽に身を委ねるほど感じる能力が低下していくと思います。

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