昨日は石割山(1,413 m)八合目にある石割神社に行きました。駐車場から403段の階段を登ると突如現れる巨石は、鎮座という表現がふさわしく超常的な力が働いたとしか思えない神秘的なものです。古事記にある天の岩戸伝説の地とされる神域であり、巨石信仰の対象となる磐座は日本中にありますが、屈指と言って良い存在感でしょう。天の岩戸とされる場所は西日本を中心に何ヶ所かありますが、見事に割れたご神体の巨石を祀るこの神社こそがふさわしく思えます。高さ15m、幅60cm、長さ15mの大岩の隙間を時計回りに三度まわると運が開けると言われ、山中湖を経て相模川に注ぐ桂川の源流となっている岩に滴る水は眼病に効く薬水とされます。日本伝来の古神道における自然崇拝では岩や木を神の御神体として信仰の対象としますが、やがて時代とともに社が常設され信仰の対象は神社に移っていきます。山に入るとそこに存在することがいかにも不自然な巨石をしばしば目にしますが、おそらくそれらは神社の原始形態である祭祀遺跡だと思います。はるか縄文以前の時代に巨石を信仰した祖先の精神性を考えるとき、時間の流れが一方向ではないことを感じます。