心の中のサイレントインベージョン

冬への気候変化が年々急激に思え、寝床から出たくない季節になりました。布団の温もりが究極の快楽に思えます。しかし快楽の誘惑と生命力はいつもトレードオフの関係にあり、動かないでいると身体は弱り、一方で冬は不便な季節ではなく寒さに身を晒せばミトコンドリアは強化されます。星のや軽井沢ではウェルネスプログラム「森林養生」を数年前から提供し、宿泊料以外に一人181,500円(2泊3日)の料金が必要です。メディアが絶賛するこれらのプログラムはリラクゼーションが中心で、副交感神経優位に偏り自律神経のバランスを崩しそうです。生粋のスポーツマンである星野社長自身は間違ってもこんな週末を送ることはないでしょうが、世間が欲しがりそうな高付加価値商品を生み出すことにかけて星野リゾートの右に出る企業はありません。かつてテレビドラマの全盛期にはキラキラした世界への憧れが人生のあらゆる側面を支配してきました。やがて豊かになったこれらの世代は、今度は終わりのない自己改善のために、セレブお墨付きのプログラムを試すようになります。そして心の中に入り込んだサイレントインベージョンに生涯気づくことはないのでしょう。

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