イノベーティブは怒りから

昨日は伊豆半島に来ました。波の打ち寄せる海岸線を歩き太陽が照らす海水面を眺めるだけで転地療法的な刺激を受けます。道の駅伊東マリンタウンにあるヨットハーバーの海水の透明度は信じられないほど高く、コバルトスズメの群れが泳ぐ海底まではっきりと見渡せ、もはや水族館と言えるレベルです。海岸沿いの地形はどこも美しく、まとまりのある建物さえ建っていればコート・ダジュールのような世界的な海岸保養地になれたと思います。惜しむらくは一貫性のない即物的な使い捨て経済が、まとまりのない建物の林立する破壊的開発をしたことです。伊豆のような半島経済は観光需要への依存が高く、自然と調和する景色こそが最大の資源ですが、個々の事業者は自身が景観を作っている意識が希薄です。消費者が審美眼を持たない限りそれでも事業は成り立ってしまい、一貫した文脈と細部へのこだわりは事業者にとっての無駄な投資になります。選択肢がなければ消費者は間に合わせの商品に飛びつくしかなく、事業者も収益効率を優先する限り細部へのこだわりを持たず、結局イノベーティブな商品は既存事業への怒りからしか生まれないのかもしれません。

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