都市に住む必要が薄れる

イギリスにいる娘が大学の寮を出て割安な一軒家を香港、イタリアの友人とシェアしていると言います。部屋の写真を見ると質素ながら落ち着きを感じます。イケアで家具を揃えるとそれらしい部屋ができますが、欧米へのコンプレックスなのかどこか日本の住宅にない品の良さを感じます。ロンドンにしても大学のあるブライトンにしても街並みが美しく、現代の日本ほど住宅と街並みを軽視する国はないと思います。夏に立山に行ったとき、新幹線の車窓から見る貧相な風景が富山に近づくに従い落ち着いたモノトーンの景色に変わったことが印象的でした。白川郷や妻籠宿など戦前の風情を残す景観が観光的価値を持つ反面、悪夢のような建売住宅が密集する都市の光景は一貫性もまとまりもなく、今となっては戦後復興のバラックそのままの方がむしろまとまりがあります。住宅街は芸術的なまでに密集して建てられた陽も当たらない建売住宅によりスラム化し、日本人の住宅への意識とこだわりのなさが街並み破壊してきました。唯一の希望はコロナ禍で過密都市に住む必要が薄れることでしょう。

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