愛すべき機械ではなくなった車

飽きた頃に壊れる工業製品が良い商品と言われましたが、乗用車の平均使用年数はバブル経済最中の平成元年の9.09年から現在では13.26年へと伸び続けています。レシプロエンジン車最後に乗るべき一台は何かと考えますが、食指が動く車はありません。そんなときに癒やされる動画が「名車再生!クラシックカー・ディーラーズ」のような年代物の車をDIYでレストアする番組です。購入した中古車を修理して転売する過程を描くドキュメンタリーは、料理番組のように小気味よく痛快です。自分で車を修理した電子制御化以前の世代にとってその手際良い作業が懐かしいだけでなく、70年代、80年代の車を見ると自動車雑誌を貪るように読んだ頃の憧れが蘇ります。今の若者が車に興味がないのは、豊かな時代が生み出す車が愛すべき機械ではないからだと思います。メーカーにも自覚があるようで日産はGTR、トヨタは2000GT、マツダはRX-7といったスポーツカーを中心に旧車維持活動を始めています。キャブレターやマニュアルトランスミッションなどの対話手段を失った時から車との関係は希薄になり始めたのでしょう。

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