

甲斐駒ヶ岳に登りました。標高770mから2,967mまで、約2,200mを一気に登る黒戸尾根は日本三大急登に数えられる、国内屈指のスパルタンなルートです。一般のハイカーは標高2,000m超の北沢峠から登りますが、両者の強度差は全く別の山と言えます。山頂までの圧倒的な標高差と距離、山岳信仰の名残である石仏・石碑が多く、近代登山以前の山岳文化の空気を濃厚に残していることが好きです。加えて中央本線側からみた山容と山頂からの南アルプスの眺望、ハイカーが少ないテクニカルなコースであることも理由です。七合目には七丈小屋がありますが、このルートを使う人の多くは日帰りで、累積標高2,516mと18kmを身体の鍛錬目的のジムにしているマウンテン・マゾヒストに見えます。トレラン競技のトップ選手に会いましたが、山頂で景色を楽しむ間もなく引き返すストイックな姿は、かつての修行としての登山を今に伝えている気がします。