夏の終わり


この季節になると若い頃を思い出します。スローテンポでアンビエントな音楽が似合う、ピークを過ぎた気だるい暑さは、様々な思い出と結びつきます。ヒグラシの鳴く森に入ると、どこか物悲しい夏の終わりを想起させ、複雑な感情が起こります。自然に近い暮らしは、どの季節も美しく感じますが、それでも特別なのは美化された記憶を呼び覚ます夏の終わりです。あの頃は自動車、リゾートホテル、高級レストランといった、今となってはその先に幸せを感じられないゲームに夢中でした。若者の特権は、消費ゲームを無邪気に信じられることのような気がします。自分にとってのターニングポイントは、40代の終わりに肝炎で入院したことです。以後25kgのダイエットをし、生活もダウンサイジングしました。どこにもたどり着かないトレッドミルを降り、今は若者が乗りそうなN-VANが心地よいのは、未来に希望を持ったあの頃に戻れるからかもしれません。

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