
この季節になるとサラリーマンを辞めた9年前を思い出します。お世話になった4社には感謝しかなく、他方で、勤め続けることの先にある言い知れぬ恐怖や、他の可能性を見たいという好奇心が勝ったと言えます。それまで勤めていた会社の良さは、辞めた後に初めて分かります。同様に給与所得者を離れてみないと、誰にも守られない不安を想像することは難しいのかもしれません。この9年間は一進一退でしたが、求めていたのは人生の主体性を取り戻すことだったような気がします。人付き合いが苦手で、組織内を立ち回る器用さに欠ける自分にとって、今日に至る道筋は当然の帰結だったのかもしれません。若いとは言えないが、かといって隠居するほどの歳でもない今頃になって、人生で何をなすべきかが分かり始めた気がします。本当に恐れていたものは、何もなさずに死ぬことだったのでしょう。