
「限界費用ゼロ社会」が日本で出版されたのは7、8年前ですが、そのときは、産業革命による未来図に衝撃を受け、バラ色の未来に期待を持ちました。しかし、現実はエネルギーコストの高騰にあえぎ、理想の社会は遠ざかる印象がありました。当時はAIの発達がここまで急速とは予想できませんでしたが、AIを手にした現代人は、まぎれもなく限界費用ゼロ社会を生きていると思います。多くの相談業務がAIに置き換わるだけではなく、人間の創造性が到達しえなかった領域まで、われわれを連れて行ってくれることを日々実感します。以前はAIの苦手分野はクリエイティビティとされましたが、クリエイティブクラスはAIとの共同作業なしに、もはや創造をなしうることができなくなりました。これからの時代に必要なのは、人並外れたセンスではなく、創造にかける強い意志だと感じます。