岐阜県のかかみがはら航空宇宙博物館で、旧帝国陸軍の三式戦闘機「飛燕」を見ました。川崎航空機が開発・製造を行った戦闘機で、3,150機が生産されましたが、現存するのはこの1機のみです。メッサーシュミットやスピットファイアに通ずる美しい機体を実現できたのは、ダイムラー・ベンツからのライセンスで製造した、日本で唯一の液冷エンジンを搭載したからです。このエンジンをめぐっては、海軍側の愛知時計電機と、陸軍側の川崎航空機がそれぞれ50万円を払い、日本として契約をすれば半分で済んだとドイツ側の失笑をかったエピソードでも知られます。V型のエンジンは通常シリンダーヘッドを上に向けますが、このエンジンがシリンダーヘッドを下に置くのは、おそらく機関砲を搭載するためでしょう。兵器こそ究極の機能美をもたらすもので、塗装や展示の光加減が重要であり、無塗装がデザインの美しさを引き立て迫力があります。