母がお世話になる高齢者施設が徒歩圏にあるので、時間のあるときには立ち寄ります。働いている方には申し訳ないのですが、正直に言えば気の滅入る場所です。食事時に行くことが多いのですが、職員の気を引くために食器をたたく人、うめき声をあげる人、いつも同じ話や自慢をする人を見ると、そこには人間らしい営みを感じることができません。入居金3億超えの超高級老人ホームのルポが出版されましたが、読まなくてもおおよその内容は予想がつきます。お金を別とすれば、幸せの基盤は自由と健康と愛情だと思いますが、残念ながらそのいずれをも期待することはできません。「高級とは、客を錯覚させるための巧みな演出があるかどうかだ」という帯の文章に納得します。いくらお金を積もうとも、監獄というその本質からは離れることができないのかもしれません。