Netflixでドラマ「ビリオンズ」を見ました。ウォール街を舞台にヘッジファンドと検察による司法捜査と訴訟合戦を描いたもので、他のネットフリックスドラマが予言めいた近未来を描くのに対して、アメリカの今を感じるのは2016年の作品だからでしょう。日本で公開されるのはシーズン5までの60話ですが、同じ主人公で全く飽きさせないストーリー展開には感心します。自作自演の詐欺を行うヘッジファンドと、権力欲から職権乱用に走る検察も精神構造は同じで、これがアメリカ社会の本質に思えてきます。地位や財産へ固執し、富と権力を増大させることにしか興味がなくなった富裕層は、人間の美徳を破壊されラットレースを走り続けます。だれもが心の内を明かさない世界で、精神科医が重要な役割を果たしますが、金銭感覚が麻痺し、結局は理性を狂わせていく勝者なき現実世界は後味の悪いものでした。