山梨県の白砂山、羅漢寺山、弥三郎岳から金櫻神社に下り、昇仙峡の奇石をめぐる20kmほどのルートをラウンドしました。このルートは、修験道の聖地とされ、山頂に五丈岩を抱く金峰山へと続く御嶽古道とも重なり、歌川広重が訪れ風景を描いたことでも知られます。しかし、山がレジャーとしての側面を強め、便利さやアクセスの容易さばかりが求められた結果、ロープウェイまでかけられました。地元有志や企業による、金峰山古道復活プロジェクトが始まりましたが、古から続く古道を使うことが本質的な山の楽しみだと感じます。神道であれ、仏教であれ、修験道であれ、聖地に至る古道を歩むことは一種の修行でもあり、日本人の精神世界を構成している気がします。山へのアクセス制限は、マイカー乗り入れ規制など自然環境の側面から語られますが、誰もが行ける平等主義がもたらした最大の弊害は、伝統や歴史と現代を断絶したことかもしれません。