円安を背景に追い風を受ける観光業ですが、急回復するインバウンド市場の復活は、喜んでばかりもいられません。長引いたデフレによる安売りの国のイメージが定着することや、将来性のある観光施設が外資に買われるリスクもあります。一方で、先月開業した豊洲市場の複合施設「千客万来」は、外国人観光客に人気ですが、施設内の飲食店のうに丼は1万8,000円と高額で、「インバウン丼」や「ボッタクリ丼」とも呼ばれ話題です。220グラムで9万6,800円の神戸牛ステーキにしても、消費者が納得すれば適正価格なのでしょうが、加熱するブームはバブル期を思い出します。宿泊や飲食サービス業の現場は相変わらず人手不足で、サービスレベルが維持できずに信用を失墜させる可能性があります。オーバーツーリズム問題も表面化し、日本をがっかりした旅行地にしないためには、目先の金に欲を出さずに価値の提供を見据える必要があると思います。