病気に近づく生活

年賀状を書きました。表裏とも印刷ですが、添える短い文章でさえ漢字が覚束ないことに愕然とします。学校でも黒板に書き始めて、いざ漢字を書こうとすると思い出せないことが少なくありません。生活が便利になるほど身体能力の劣化は加速度的に進み、いわゆるスマホ脳も深刻です。脳は情報そのものよりも、情報がどこにあるかを優先して記憶するため、物事を思い出せなくなるデジタル性健忘は若者にも広がります。外部のデジタル機器を参照すれば事足りるために脳は覚える力を失い、使わない脳は小さくなります。家を快適にすれば深部体温を調整して就寝や起床を知らせる体内時計が狂い、満腹まで食べればケトン体を生み出せなくなり、運動を怠れば全身の血流が悪化します。紀元前5世紀にヒポクラテスが「人間は自然から遠ざかるほど病気に近づく」と述べたにも関わらず、現代人は病気に近づく生活を選択しているように見えます。

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