根源的な価値を思い出す冬

酷暑が終わりほっとする間もなく、今度は厳しい寒さがやってきます。冬は日照不足による鬱が増えるなど暗いイメージがありますが、他方で幸せを感じやすい季節だと思います。人類の生存を脅かしてきたのが寒さと飢えという二大脅威のため、人は寒さを嫌います。しかし、お風呂や布団に入ったときの温もりが、思わず声を上げてしまうほど心地良く、しみじみと幸せを感じます。空腹なら粗食でも有難く、暗闇なら一筋の炎に魅せられ、辛い境遇にあれば人の善意に救われるように、マイナスの境遇は幸せを感じるチャンスなのかもしれません。自然環境の厳しい北欧などの高緯度地域が、国連の世界幸福度調査上位の常連なのもそれが理由の一つでしょう。プラスをしていく付加価値生産が支配する社会にわれわれは慣れていますが、マイナスをゼロに戻す根源的な価値を思い出させてくれるのが冬なのだと思います。

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