玉川温泉での湯治2日目になると、湯あたりなのか、入浴初期に体調が悪化する好転反応なのか、何事をするにも普段の倍の時間がかかります。入浴と岩盤浴に行く以外は何もせず、ただただ無為に時間を過ごす贅沢は、10年ほど前に肝炎で入院した時を思い出します。宿は質素で豪華な要素など一つもありませんが、寝たいときに寝て起きたいときに起きる湯治場生活以上に、自分を甘やかす方法はないと思います。ピレネー山脈の麓にある秘境地ルルドには、不治の病を治す奇跡の泉があり、カトリック最大の巡礼地ですが、奇跡を起こす霊験あらたかなお湯が湧くことに関しては、玉川温泉も同じだと思います。しかしながら経営的には難しいようで、玉川温泉と新玉川温泉の経営会社は10年ほど前に変わり、以前売りに出ていた大規模な宿泊施設も今は解体されたようです。商売っ気がないところも、この温泉地の神秘性を増す理由かもしれません。