死と向き合わずに食べる

ローカルな市場は第一級の観光資源ですが、1950年から70年にわたり那覇の台所として営業してきた第一牧志公設市場が、昨日4年ぶりに開業しました。日曜日で周辺の店舗が閉店していることもありますが、公設市場のまわりだけが異様な盛り上がりを見せます。近隣には新しい飲食店もでき、来年にはアーケード街も改修されます。旧市場の薄暗い風情が好きでしたが、1階店舗で買った食材を2階の食堂で調理してもらう「持ち上げ」は健在です。東南アジアの市場との違いは、生きた動物を売っていないことです。海外に行くと、その場で鶏をしめる光景を目にしたり、血の流れる床に足を取られたりしますが、日本ではこうした光景を見ずに美味しい料理だけを楽しめます。命を奪うことなしに生きられないわれわれは、なるべく殺さずに生きるべきですが、死と向き合わずに美食だけを礼賛する風潮には違和感を覚えます。

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